アン・マキャフリー『もしも願いがかなうなら』創元推理文庫

 そのとき、いつもの台詞をいう母の声が聞こえた。
 「わたしになにができるか考えましょう……」
 トラセルとわたしは、あわてて厨房から外に出た。
 “わたしになにができるか考えましょう”は、問題が起きたときの母の口ぐせだった。
 そしてこの台詞は、きまって予想以上の効果をもたらした。 p.17