2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

柴田よしき「まぼろしのパンフレンド」(『謎の転倒犬』収録)

占い師ってのはね、カウンセラーなの。客の大半は、占い師に超自然的な力を求めているんじゃなくて、アドバイスを求めているの。自分の迷いを断ち切ったり、何かを決意したり諦めたり、そうした、心を決めるための勇気をもらいに来るのよ。 p.74

あさのあつこ『金色の野辺に唄う』小学館

人は案外に、多くの秘密や隠し事をしまいこんで一生を終えるのかもしれない。満たされて、思い残すことなど何一つなくて、凪のまま逝ける者なんていないのかもしれない。 p.191〜192

あさのあつこ『金色の野辺に唄う』小学館

廊下の硝子戸から、光が差し込んできました。秋の日差しは柔らかいけど、脚が長いのです。 p.7

長嶋有『ぼくは落ち着きがない』光文社

議論がエキサイトした末に健太郎が放った「そんなに世界の亀山工場が好きなら亀山に住めよ!」という啖呵が望美のベスト賞で、「二人とも家で今使ってるテレビはなんなの」と最後に部長に聞かれ「ブラウン管です」と口を揃えて終わったのも美しい着地と思う…

長嶋有『ぼくは落ち着きがない』光文社

西部劇だ。 望美は思う。 p.5