坂木司『先生と僕』双葉社

「今はさ、ロマンがないよね」
 自分の鞄から文庫本を取り出して、隼人くんはため息をついて。中学生らしからぬ台詞に、僕はつい苦笑してしまう。
「本の中では、犯罪にも理由やロマンがある。正義を守る人もいれば、スケールの大きな悪をもくろむ犯人もいる。なのに現実は、お金お金お金。そればっかり。殺人にも理由がなくて、被害者だって殺され損だと思わない?どうせ殺されるなら、ものすごい愛や憎しみをぶつけられた方が、生きてるって感じがするよね」  p.57〜58(「一話 先生と僕」より)

 伊藤二葉、アルバイトで家庭教師をする大学生。ちなみに生徒はミステリーの先生です。いや、猫かな。  p.61(「一話 先生と僕」より)

「これはね、一応少女マンガなんだけど、その実すっごくよく出来たミステリなんだ。しかも人が死ぬシーンとかないから、二葉さんにぴったりだと思って」  p.75(「二話 消えた歌声」より)

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