飛鳥部勝則『レオナルドの沈黙』東京創元社

「でも、現代のミステリーにも、その類の趣向は頻繁に現れるわね。ノックスのいう当時の単純なパターンではなく、もっとひねられた使い方をされているけど」
「そういうことさ。つまり、ツイストすれば読者は許す。というより現代では、ツイストするしかないのさ。あらゆる手法が発明されているからね」  p.164

「阿呆らしい。こんな朝っぱらからみんな酔っ払ってやがる。超能力者?遠隔殺人?下らねえ。馬鹿じゃねえのか」  p.220 

 作中語られるミステリ談義、登場人物である鍵谷と朋江による「探偵小説作法十三箇条」も面白かった。こういうところ、まるで『堕天使拷問刑』に通ずるようだ。