越谷オサム『陽だまりの彼女』新潮社

「へー。運命の出会いって感じだね。で?」  p.96

「ほんとに思い出深いよね。二人が出会った場所だもんね」  p.201

「中学のときにここでキスして自分の気持ちがはっきりして、それからおれが逃げちゃって、再会して、結婚して、またここに帰ってきた。これってなんだか輪っかみたいだろ?でさ、我ながらばかばかしい妄想だとは思うんだけど、ここでキスしてきれいに輪が完成しちゃったら、もう続きはないんじゃないかって、そんな風に感じたんだよ」
「浩介はほんとに、心配症だね」真緒はおだやかな眼差しで僕を見つめた。「私は浩介が死ぬまでつきまとうつもりだよ。ほら、私って執念深いから」
「本当に?」
「本当に」  p.202

 10年ぶりに中学時代の思い出の彼女と再会した。惹かれ合っていく2人。駆け落ちして結婚するものの、奥様には誰にもいえない秘密があったのです、、、。
 主人公より先に分かった(笑)。本人さえよければ、いいんじゃないですかね。