2008-07-17 薬丸岳『虚夢』講談社 2008 作家や・ら・わ行 作品か行 印象的なシーン 留美を含めて三人を殺害し、九人に重軽傷を負わせた藤崎が罪に問われることはなかった。この世の中には、人を殺しても、残虐な罪を犯しても、罰せられない者たちがいるのだ。 『刑法三十九条』という法律によって。 心神喪失者の行為は、これを罰しない。 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。 p.30 刑法三十九条という法律があることで、精神障害者と精神障害をもつ犯罪者とを混同させてしまっているのではないでしょうか。 そして、精神障害者による犯罪をマスコミがタブー視することで、恐怖の闇がいっそう深くなっていくのだと感じます。 p.289