道尾秀介『カラスの親指』講談社

「劇の内容が書いてありますよ。『暗い過去を持つ詐欺師。哀しい旅路の果て、彼は初めて心を許せる友と巡り合う。彼らと運命を共にする一人の美女。それぞれの過去を清算するための闘いが、いまはじまる!』――はは、どっかで聞いたような話ですね」
「そうか?」
「特に前半」
「中盤の美女に期待するよ」
「特製もやしです」  p.98

 今まで見ていた世界が反転する驚き。まんまと騙された。でも悔しいというより、気分爽快。面白かったー好き好き!でも、「向日葵〜」が好きなので毒が欲しかった、、、。
 タイトルに因んだのか、章タイトルが鳥の名前なのも心憎い。にんまり。「HERON(サギ
」「BULLFINCH(ウソ)」「CUCKOO(カッコウ)」「STARLING(ムクドリ)」「ALBATROSS(アホウドリ)」「CROW(カラス)」