2009-04-06から1日間の記事一覧

ダニロ・キシュ「赤いレーニン切手」(『死者の百科事典』収録)東京創元社

過ぎたことは過ぎたこと。過去は私たちのうちに生きていて、消し去ることなどできません。 p.173 味わいが見事にバラバラの愛と死をテーマにした九つの物語が収録。元ネタが分かっていて読んだのがよりいっそう深く味わえるのだろうけど(作者自らによる作…

ダニロ・キシュ「王と愚者の書」(『死者の百科事典』収録)東京創元社

こうして、ルネッサンスの王子の教育のために書かれた一冊の参考書は――ジョリーの哲学的な輪廻を経てニルスの歪んだ鏡で屈折し――現代の独裁者の手引きとなるのだ。ニルスからの数例とその文章の歴史的な反射は、この文献の影響を物語っている。 p.157〜158