石持浅海『温かな手』東京創元社

 二十数年生きてきて、まさか自分が人間以外のものと関わり合いになるとは、思ってもみなかった。  p.10(「白衣の意匠」より)

でも北西の手は温かかった。それは、人間としての確かなぬくもりだった。
 わたしは、その温かさを強く握りしめた。  p.234( 「温かな手」より)