鳥飼否宇「黒くぬれ!あるいは、ピクチャーズ・アバウト・ファッキング」(『爆発的―七つの箱の死』収録)双葉社

「中村青司か?」
「誰ですか、それは?」  p.17

 綾鹿市出身で引退した元財界人日暮百人が、鳥搗島に日暮美術館という建物を建てた。”現代アートは制作過程そのものが芸術行為”という主張に基づき、招聘された6人の若手アーティストたち。芸術作品が完成しお披露目されるたびに、殺人事件が起こる、、、というお話。「芸術家=一般常識を超越した変人」ばかりではないんだろうなと思いつつも、前提からしてそんなんなので、どの事件も一筋縄ではいかないものばかり。いかにもこの作者らしい作品で、楽しゅうございました。