乾くるみ『カラット探偵事務所の事件簿』1 PHP研究所

「だけど依頼人は、犯人を特定できるだけの情報を自分が持ってないからこそ、ここに調査を依頼しに来るんだよな。情報が足りてたら最初から安楽椅子探偵の出番はないし、かといって足りてなければ探偵も情報不足で推理はできない。考えてみれば矛盾してるよな、安楽椅子探偵って存在は」
 俺がそう言うと、古谷は「いえいえ」と顔の前で手を振り、
「情報が足りていても推理力がなければ、答えは出せません。そこに安楽椅子探偵の存在価値があります」  p.199

 倉津(くらつ)市、サム・スペード、フィリップ・マーロウリュウ・アーチャー、「マルタの鷹」、カール・ハイアセン『珍獣遊園地』、『豹(ジャガー)の眼』、ヒッチコックの「めまい」、高村薫『神の火』、六瀞(ろくとろ)市、カーの『魔女が笑う夜』、『わらう後家』、池戸(いけど)市。メモメモ。