ドナ・ジョー・ナポリ『バウンド−纏足』あかね書房

今回のことはすべていんちきだ。いんちきはもうこりごり。皇太子さまは靴を使ってお妃を選ぼうとしている。でも、あの靴を履ける女の人はきっとたくさんいる。皇太子さまだってそのくらいは知っているはずだ。つまり、皇太子さまは本当は自分の好みにいちばん合う女の子をさがしているだけ。なんてずるいやり方なんだろう。 p.191

もうだれにもだまされない、そう自分に誓った。自分が強くなった気がした。「強い女」というのは、私が生きているこの世界では否定される。でも、私は否定されない。霊媒師みたいに炎の中に飛びこんでも燃えない気がする。  p.191〜192

 p.192〜201の皇太子とのやり取りが素敵すぎる。「運よく玉の輿に乗った女」ではなく「自分の運命を自分でつかみ取った」という強い女のイメージが新鮮だった。