豊島ミホ「瞬間、金色」(『Re-born はじまりの一歩』実業之日本社 より)

「あたしたちさ、もう酷いことされてんだよ?いいじゃん。井川、何されても文句言えないくらいのこと、したよ。アンタさっき泣いたじゃん!人のこと泣かせるような女、黙ってのさばらせといていいの?」  p.203

 私たちはすがり合って、もたれ合って、生きている。またお互いが重くなれば、離れるんだろう。直感的にわかる。でも、今度は、私から離れるわけにはいかないのだ。  p.218

 中学2年で知り合ったシンジュとナナミの友情の物語。身も心もしんどい時期をメインに書いてるんだけど…こういう思春期の女の子同士の生臭い関係の軋轢や絆の物語を書かせると、本当に豊島さんて巧い。