中島京子「コワリョーフの鼻」(『Re-born はじまりの一歩』実業之日本社 より)

「自分の鼻って、ほんとは見えないんだよね」
 夫は、意外なことを言った。私はなぜだか、どきりとした。  p.117

 さすが『FUTON』の作者!ゴーゴリ「鼻」に『鼻行類』、芥川の「鼻」までこうも見事に使うとは。最初から最後まで鼻鼻鼻、鼻のオンパレード。とても奇抜でチャーミングな物語だ。ダンナさまとの夫婦の会話に憧れるなあ。ほわ〜ん。