よしもとばなな『彼女について』文藝春秋
「私は、私として生まれてきて、私にしかできない感じ方と考え方を持っていて、ただそのことだけでもう、いいと思うの。決して悲しくはないよ。」 p.67
「だって、なによりも今目の前のことが大事だもの。そこが落ち着いていれば、あとは気にならないの、気にしていたらきりがない人生なんだもの。」 p.106
「人は環境で変わることができるんだね」 p.106
私の中の止まった時間の鎖がぱちんと切れた気がした。炎は今の時間に生きていた。なにかをひとつひとつきらきらと取り込んで燃やしていくようだった。 p.131
「君の幸せだけが、君に起きたいろんなことに対する復讐なんだ。」
「あ、かなりいい線になってきたみたい。」
私は笑った。 p.178