乾ルカ『プロメテウスの涙』文藝春秋

 生きるということは、ただそれだけで尊いのだろうか。それがどんな性質のものであっても、心臓が動いて、体温があればそれでいいのか。意識もはっきりしていれば、なおいいのか。
 もはや苦痛しかない世界に何を見出せばいいというのだ。  p.160

 リーダビリティはものすごく高い作品だけど、勢いだけで読ませて、なんかイマイチ不完全燃焼という気がしないでもない。映像化したら面白いだろうと思うんですけどねえ(そうか、なんか表面だけ撫ぜてる感じで薄っぺらく感じちゃうんだ)。