2009-05-27から1日間の記事一覧

乾ルカ『プロメテウスの涙』文藝春秋

生きるということは、ただそれだけで尊いのだろうか。それがどんな性質のものであっても、心臓が動いて、体温があればそれでいいのか。意識もはっきりしていれば、なおいいのか。 もはや苦痛しかない世界に何を見出せばいいというのだ。 p.160 リーダビリテ…

大島真寿美『三人姉妹』新潮社

あのね、夜中に一人で車で走ってると、あたしは自由だ、どこまでも自由だ、って気がしてくるの。これって不思議よ。どんなにへこまされている時だって、絶体絶命の時だって、あたしは壊されない、壊れてなんかやるもんか、って強く思えるの。このままどこま…