三崎亜記「突起型選択装置」(『鼓笛隊の襲来』光文社 より)

「今日、二人組の男が会社にやって来たよ。君のボタンを押すなって、忠告に来たみたいだ」
 彼女は下を向いたまま、わかってる、というように頷く。
「君の背中にあるのは、何のためのボタンなんだ?押したら、いったいどうなるんだ」  p.115