津村記久子「アレグリアとは仕事はできない」(『アレグリアとは仕事はできない』収録 筑摩書房)
こいつにどうにかして思い知らせてやりたい、と考える。人ならば可能だ。人ならば。 p.11
始末に負えないのは、悪意よりも扱いにくい。痛みにまで達するようなアレグリアによる信頼の裏切りへの悲嘆がミノベの中にあることだ。 p.12
ミノベに言わせると、アレグリアはどうしようもない性悪だった。 p.13
答えられないなら答えられないと言ってくれればいいんだ。そしたら納得する。答えられないようなトラブルを起こす機械をあなた達はあてがった。そのことを認めてくれればいいんだ。そのことを認めてさえくれれば、わたしはその理不尽と共存できる。 p.24
憎悪がこみ上げた。
アレグリア。おまえは人を弄ぶんだな、そうなんだな? p.62