三崎亜記「廃墟建築士」(『廃墟建築士』収録)

「廃墟とは、人の不完全さを許容し、欠落を充たしてくれる、精神的な面で都市機能を補完する建築物です。都市の成熟とともに、人の心が無意識かつ必然的に求めるようになった、『魂の安らぎ』の空間なのです」  p.61〜61

 廃墟が人々を癒すものであるならば、我々廃墟を造る者は、何によって癒されようか?  p.87