2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

上田早夕里『美月の残香』光文社文庫

「職業柄、私には人間の氏名などより、匂いのほうがずっと重要なものに思えるのです。人は顔や名前は変えられても、自分の匂いは変えられません。香水ですらマスキングできない匂いを、人間なら誰でも持っています。しかもそれは、指紋のようにひとりひとり…

乾くるみ「クラリネット症候群」(『クラリネット症候群』徳間文庫収録)

ドとレとミとファとソとラとシの音がでない。 p.323 「クラリネット症候群」て!そういう意味だったのか!もうサイコー♪面白かったー♪

乾くるみ「クラリネット症候群」(『クラリネット症候群』徳間文庫収録)

自分で作った朝食を食べ、後片付けをしているところに、関さんが帰ってきた。 p.181

乾くるみ「マリオネット症候群」(『クラリネット症候群』徳間文庫収録)

やめて、って叫びたいのに、口が動いてくれない。私の身体なのに、ぜんぜん私の自由にならない。 p.8 痛いところを突かれて、私はもう、こう言うしかなかった。 (てへっ) p.151

上田早夕里『美月の残香』光文社文庫

美月の残香 (光文社文庫)作者: 上田早夕里出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/04/10メディア: 文庫 クリック: 9回この商品を含むブログ (15件) を見る ふたごというのは顔だけでなく、匂いも似ているのだろうか。 p.5 遥花は、一卵性のふたごとしてこの世…

ダレン・シャン『デモナータ6幕 悪魔の黙示録』小学館

デモナータ 6幕 悪魔の黙示録作者: ダレンシャン,田口智子,Darren Shan,橋本恵出版社/メーカー: 小学館発売日: 2008/02/28メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る 巨大なサソリのすがたをした悪魔が、ひとりの女性の両目に毒針を…

竹内真『ビールボーイズ』東京創元社

「ビールってさ、びっくりするぐらいまずいねえ」 「うん。まずい」 p.17(第一回ビール祭 十二歳・秘密基地) 「だから、俺は決めた。俺は先祖ができなかったことをやってやる。――修行の旅で腕を磨いて、いつか新山でビールを造るんだ」 p.159(第七回ビ…

竹内真『ビールボーイズ』東京創元社

ビールボーイズ作者: 竹内真出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/02メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (9件) を見る ちょっと想像してみてください。 (p.4) 第一回ビール祭は一九八三年に開催された。 p.8

吉田修一『静かな爆弾』中央公論新社

そんな響子の背中を眺めながら、ふと「偽善的」という言葉と、「神様かもしれないぞ、用心、用心」という彼女の文字が重なった。 野良猫にハムをやる。同じ行為のはずなのに、考え方次第でまったく別ものに思える。 施してやる。 施させてもらう。 施してや…

吉田修一『静かな爆弾』中央公論新社

静かな爆弾作者: 吉田修一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/02メディア: 単行本 クリック: 21回この商品を含むブログ (60件) を見る その公園は、午後の四時半で閉門だった。 p.3

平安寿子『セ・シ・ボン』筑摩書房

でもね。今は、こう思う。しょせん、人間はみんな、出来心で生きている。だから、トラブルとアクシデントの絶え間がないのだ。そうでしょう?些細なことでも、端から勝手にこんがらがっちゃう。そんなつもりじゃなかったのに。こんなはずじゃなかったのに。 …

平安寿子『セ・シ・ボン』筑摩書房

セ・シ・ボン作者: 平安寿子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/01メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (18件) を見る 「女の黄金時代は、なんといっても三十代ね。二十代はまだまだ子供。人の言葉に左右されて、自分てものがつかめない…

多崎礼『<本の姫>は謳う』2巻 C・NOVELS Fantasia

心の底に波紋が広がった。心を震わせる悲しい和音。まるで音叉のように、俺と彼女の感情が共鳴する。 それは孤独。大切なものをなくした悲しみ。 「そうか」 彼女は手を回し、ぎゅっと俺を抱きしめた。 「お前も、そうだったのか」 p.85〜86 「人は誰であれ…

多崎礼『<本の姫>は謳う』2巻 C・NOVELS Fantasia

“本の姫”は謳う〈2〉 (C・NOVELSファンタジア)作者: 多崎礼,山本ヤマト出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/03/01メディア: 新書購入: 3人 クリック: 26回この商品を含むブログ (48件) を見る 夜の街をセラは歩いていく。 p.9

前田珠子『緑の糸をたどって』コバルト文庫

「みてくれがどうであろうとも、ドレスで木に登るのを止めない時点で、猿娘は猿娘です」 p.147 感想はコチラ。

前田珠子『緑の糸をたどって』コバルト文庫

緑の糸をたどって―天を支える者 (コバルト文庫)作者: 前田珠子,明咲トウル出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/04/01メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (7件) を見る 視界の隅で、手入れされた細く優美な指がすい、と宙を舞う。 p.8

畠中恵『こころげそう』

こころげそう 男女九人 お江戸恋ものがたり作者: 畠中恵出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/01/22メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (35件) を見る (色恋は……思いの外だ) p.43(「恋はしがち」より) 「分かってる。酷いこ…

柴崎友香「ブルー、イエロー、オレンジ、オレンジ、レッド」(『主題歌』講談社 収録)

絵莉はその場面が好きで、そこばかり何回も読んだ。恋が始まったときも、終わったときも、読んだ。それで、先週もまた読み返した。 今、目の前で、心がすうっと外へ広がっていくように感じられるほど美しい青色が、自分のせいだったらいいのに。隣にあるミネ…

柴崎友香「六十の半分」(『主題歌』講談社 収録)

「そうか。三十の倍やったら、けっこう最近のことやん」 p.160

柴崎友香「主題歌」(『主題歌』講談社 収録) 

女の子を見るのが好きなのは、男性俳優やジャニーズ事務所の誰彼が好きだというのと同じことなのか違うことなのか、と実加はときどき思う。ほかにもかわいい女の子が好きだという話をする女友達はいるけれど、同性愛というわけでもなく、小田ちゃんは結婚す…

柴崎友香「主題歌」(『主題歌』講談社 収録)

主題歌作者: 柴崎友香出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/03/04メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (61件) を見る 会社に来るまでに携帯プレイヤーで聞いていた音楽が、実加の頭の中で鳴り続けていた。 p.7

梶尾真治『あねのねちゃん』新潮社

「大丈夫って訊ねたら、大丈夫じゃないって玲香ちゃんは答えなきゃなんないのよ。だって大丈夫じゃないから、私が現れたんだから。玲香ちゃんを大丈夫にするために現れたんだから」 p.20

梶尾真治『あねのねちゃん』新潮社

あねのねちゃん作者: 梶尾真治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/12メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (18件) を見る あねのねちゃんの名前は、玲香がつけた名前なのか、それともあねのねちゃんが自分で名乗った名前なのかは、おぼえて…